トラファグ圧力トランスミッターの機能について
圧力トランスミッタがどのように機能するかを理解するには、その2つの重要な部品に注目する必要があります。1つは圧力センサーで、流体の圧力を検出し、電気信号を生成します。もう1つは、圧力センサーが生成した電気信号を、規格に準拠した出力信号に変換する為の集積回路(ASIC)です。
圧力センサー
金属薄膜歪式圧力センサーは、抵抗のブリッジ回路が金属薄膜の検出素子の上に形成されています。この回路の厚さはナノ スケールの極薄で、圧力センサーに圧力が加わると、その検出素子は決められたポイントで変形します。抵抗器はこれらのポイントに正確に配置され、伸び たり縮んだりすると抵抗値が変化します。検出素子には4つの歪抵抗があり、2つの抵抗器がペアとなり2つの経路を形成します。
電圧が測定できるブリッジ回路(ホイートストンブリッジ)を2つの経路の間に形成します。圧力センサーに圧力が加えられていないとき、ブリッジ回路内すべて抵抗値が同じなので、左右の経路間に電圧は発生しません。 圧力が加わり金属薄膜の検出素子が変形すると、それぞれの抵抗器に圧縮や引き伸ばしの力が加わります。伸びた抵抗器の抵抗値が増加し、圧縮された抵抗器の抵抗値は減少します。これによりブリッジ回路の状態が変化して信号が生成されます。しかし、この測定信号は線形性がなく、周囲温度によっても変化してしまいます。これは、温度が抵抗器の抵抗値に強い影響を与えるためです。
特定用途向け集積回路(ASIC)
測定された信号から温度に依存されない、線形性のある正確な出力信号を得るためには、情報処理を行う部品が必要です。この部品は、測定信号の補正や増幅を行います。例えば、10ミリボルトの信号は10ボルトの信号に変換されます。得られた補正値は、特定用途向け集積回路(Application SpecificIntegrated Circuit の頭文字をとり ASICと呼びます)に記録されます。これらの補正値は、圧力トランスミッタごとに定義され、記録されます。補正値を決定するために、準備された圧力トランスミッタに厳密に規定された圧力を加えて信号を測定します。これにより、規定の圧力より補正値が求められます。次に異なる温度条件下で同様の測定を行う事で、温度補正の為の補正値も求めることができます。このようにして定義された補正値は集積回路に記録され、検出素子から得られる生の測定信号から、線形化され規格に準拠した出力信号を生成することができます。これは、圧力と温度の全測定範囲にわたっています。この規格に準拠した出力信号は、上位の制御システムにそのまま送信することができます。
ASIC は、およそ2.5 x 2.5ミリメートルのサイズに数百万の回路が形成され、はんだボールを介して圧力トランスミッタのPCB に接続されています(図6)
まとめ
最良の測定結果を得るためには、圧力を検知する圧力センサーと出力信号を生成する集積回路(ASIC)の適合は非常に重 要になります。この2つの重要なコンポーネントを一緒に社内で開発することでより、Trafag の圧力トランスミッタは最適に機能し、最高の品質と信頼性が保証されます。
Trafag の圧力トランスミッター
- EXNAL 8858在庫切れ
- EXNA 8852/8853在庫切れ
- EXNAL 8859在庫切れ
- EPN-S 8320在庫切れ
- EPN/EPNCR 8298在庫切れ